「マンスリーマンションを一家で転々とするなんてアイデアに賛成してもらえて嬉しいわ。」 妻はしみじみとそう言いました。「いや、俺もお前と一年も別れて過ごすのは嫌だから。それに香も一緒にラーメンを研究してくれるって言うし。これからラーメン屋をやろうとしている俺にとって、こんなに嬉しいことはないよ。」
マンスリーマンションでは24時間体制でスタッフが常駐しているからセキュリティーも万全だよ。Aは男だから、セキュリティーなんて関係ないと思うかもしれないけれど、最近は物騒だから、安全な場所を選ぶに越した事はないよ。実際ビジネスホテルなんかの場合は、それこそビジネスマンが多いから、お酒を飲んだ酔っ払いに絡まれたり、Aみたいな未成年には危ないよ。それにマンスリーマンションには禁煙ルームも設置されているから、タバコ臭い部屋に我慢して泊まることもないしね。
マンスリーマンションに住み始めたのがそんなわけなので、どれくらいの期間を契約したらいいか判断ができませんでした。突然明日にでも解約して自分の家に帰る可能性があるし、逆にかなり長い間借り続ける可能性もあります。まず中途解約について聞いてみると、それは一ヶ月前までに言わないとダメだということでした。つまり、突然明日出て行くと言ったら、向こう一ヶ月分の家賃をキャンセル料として請求されるわけです。
マンスリーマンションは使い道次第でいろいろな利用の方法があります。ビジネスマンの一番の利用は単身赴任です。単身赴任の場合には、既に自宅があり、そこで家族は生活用品が揃った暮らしをしていることがほとんどです。単身赴任をするために新たに生活用品を揃えても費用がかさみ、単身赴任を終えたときその揃えた生活用品が自宅の物とダブってしまえばもったいないですが、マンスリーマンションならその心配がありません。着替えなどの鞄を一つ持って赴任先へやってきて、マンスリーマンションに住み、単身赴任の期間が終わればまた鞄一つで自宅へ帰っていくことができます。マンスリーマンションは出張などの一時の宿泊としても最適な場所です。通常ホテルなどに宿泊するのと同じような感覚で自分の都合に合わせて利用することができます。
マンスリーマンションの契約に限らず、契約書というのは結構分かりにくい表現で書いてあって、日本人でもそれを理解するのが難しい場合があります。法律的に正しい書き方なのでしょうが、もっと一般で使われている言葉で書かないと返って誤解が生じると思うのですが。まあそれはさておき、日本語の達者な外国人でも、たいていそれは会話だけで、読み書きとなると10年住んでいてもかなりダメだという人が多いはずです。だから、契約書を読んで理解できるような外国人はそう滅多にいないでしょう。