マンスリーマンションにするべきかどうかという話はその後しばらく続きました。往復の回数を抑えてウィークリーマンションを活用してはどうかなど、いろいろな可能性が出ましたが、O子が16万円で済むマンスリーマンションを見つけたとき、その話はすぐ終わりました。めでたくマンスリーマンションを借りることになったのです。
マンスリーマンションが無職の人を警戒して、直接契約はしない理由を私なりに推理してみました。まず、勤め先がないということは、何かが起きたときにつかまえにくいということでしょうか。でも途中で居なくなったとしても、家賃はすべて払ってあるわけです。家電一式を売り飛ばしたりしそうだとでも思われているのでしょうか。それとも無職の人は、何か悪い人たちとつながっているとでも思われているのでしょうか。
マンスリーマンションに入居するために必要な説明を聞いて納得すれば、契約に関する手続きはほぼ終わり、マンスリーマンションの入居日間近には鍵を受け取ることができます。鍵は手渡しの場合もありますが、暗証番号などが伝えられるような形のものもあります。あとはマンスリーマンションの部屋の前に立てばそのままそこに入って、生活をすることができるというわけです。
マンスリーマンションの希望のものが見つからないと途方に暮れていたところに、妻がこう言い出しました。「あなた、この喜多方市って福島の外れよね。」「うん、だからマンスリーマンションもそうそうないんだろうな。」「でもここって山形と新潟がすぐじゃない。もしかしたらそっちの線でいいところがあるんじゃない?」 それはいいアイデアだと思い地図を見ると、山形の米沢市がすぐ隣です。ここならマンスリーマンションがあるのではないでしょうか。
「マンスリーマンションってのがあったな。」 博多から東京への出向が決まったS氏はそう考えていました。この出向は現在東京で進行中のプロジェクトを補佐するためのもので、それが終わったら帰って来ることになります。だから、長くても1年以内には帰って来られるはずです。それくらいしか住まないのに、小学生の子どもを転校させたくありません。そして妻のI美には、子どもの面倒を見てもらうためこちらに残って欲しいのです。S氏は単身赴任する決意を固めて帰宅しました。