「マンスリーマンションでは宅配便の受け取りだけではなく、荷物の発送手続きもできるから洗濯物を送りなさい」とお母さんからの手紙には書かれています。他にも、「料理は冷蔵庫に入れておけば何日かもつから、また料理を送るから、今が大切な時だからあと少しだけがんばりなさい」など、いろいろな事が書かれていました。Aくんはマンスリーマンションには洗濯機も付いているのに、と思いながらも洗濯物を箱に詰め、フロントに向かいました。
「マンスリーマンション? 何それ?」 今度アメリカから日本に指導に来るY氏は、片言の日本語でそう言いました。本来なら一緒に出張して来た英語の流暢な同僚がこの説明をするはずだったのですが、アメリカに来てはしゃぎ過ぎたのか、今お腹を壊して寝ています。Y氏は少し日本語ができるということなので、代わりに英語がほとんどできない私が、Y氏を迎えるにあたって日本でどんな準備をしているかというのを説明しに来ました。
「マンスリーマンションにとりあえず入って、最終的にどの学区に住むのがいいのか、向こうの事情をよく調べて選んで欲しいのよ。本格的な賃貸を借りるのは、それが決まってからにしましょう。ねっ、どこからどう考えてもマンスリーマンションの方がいいでしょ!」
マンスリーマンションは受験生にこそ向いている、そして、宿泊料金もビジネスホテルよりも断然安くすむ、というお兄さんの説得にしぶしぶ応じたお母さんはAくんの受験のためにマンスリーマンションを利用することにしました。当初Aくんは、3週間程度の滞在予定でしたが1カ月の利用にすると一日あたりの利用料が安くなる事、受験日当日までに都会の環境に慣れるために、1週間ほどマンスリーマンションを利用する事にしました。
マンスリーマンションの場合賃貸とは違って、契約の際に定期借家権というものが発生します。この権利は、あらかじめ定められた契約期間とともに消滅し、更新はできない権利です。つまりマンスリーマンションに居座るのは法律的に全く不可能なのです。もしさらに住み続けたかったら再契約をしなければなりません。こういった面があるので、マンスリーマンションは賃貸よりも安心して貸せるのです。